今週の円谷劇場

 
怪奇大作戦 23話「呪いの壷」

科学犯罪なれど、そこに込められたものはまさに呪いであったというお話。

骨董品の壺を鑑賞していた資産家が、次々と変死するという事件が発生。
特に視神経は完全に破壊されており、まるで焼けこげたようになっていました。
変死ということで、例のごとくSRIへお鉢が回ってきます。

事件にはすべて、市井商会という骨董品屋から買い取られた壺が関わっていました。
その従業員である日野統三に怪しいものを感じた牧は、三沢と野村に尾行させます。
結果、市井商会の壺は統三の父が作った偽物であることがわかりました。
さらに日野の行動を追うと、何やら砂を掘り出して黒い紙に包んでいます。

二人がこの砂を持ち帰って調べてみると、恐ろしいことがわかりました。
件の黒い砂は旧日本軍の開発したリュート物質といわれるもので、太陽光線に反応して
リュート線という特殊な放射線を出すのです。直撃するとと人体すら焼けこげてしまいます。
その際、まずやられるのが目なのでした。

つまりは売り手である市井商会店主も知らぬうち、そのリュート物質が壺に仕込まれ
次々と買い手を殺傷していたのでした。もちろん、内部の者の犯行です。
そして下手人は、他ならぬ日野統三でした。

統三の家系は市井商会の依頼で、代々贋物を作らされつづけてきたのです。
当然、日のあたる場所になど出られるはずがありません。
専門家にも見破れぬほど見事な壺を作れる技術がありながら、名を出せぬ父。
家と父を日陰に押し込み続ける市井商会を、統三は心の底から憎んでいるのでした。

SRIに全てを暴かれた統三は、大量のリュート物質を抱えて逃走。
寺をまるまるひとつ道連れに、壮絶な死を遂げるのでした。
そして彼の行動は結果的に、市井商会の悪行をも明るみに出すこととなります。

ラストシーンでは、統三の父が狂ったように自作の壺を割ってゆきます。
息子が死んだことが哀しいのか、息子が殺人をおかしていたことが悲しいのか。
はたまた、統三のせいで何もかも失う羽目になることが腹立たしいのか。
やり切れないものを残したまま、物語は幕を閉じます。

実相寺監督による、京都の佇まいや光と影を活かした演出がキレッキレな一篇。
圧巻はやはり、統三がばらまいたリュート物質で燃え上がる寺院でしょう。
あまりに凄すぎて、本当に寺をまるごと燃やしたように見えます。
確か精巧に作られたセットだと聞きましたが、区別がつきません。スゲエ。

演出といえば、市井店主の娘で統三の許嫁的存在である信子も印象的でした。
物語的にはそこまで重要な役じゃないんですが、映像的にすごく心へ残ります。
具体的にはすごくエロい。監督はきっと、気合を入れて信子を演出したんでしょう。
画面からビンビン伝わってきました。映像にはやはり、情念が乗り移るのかもしれません。
プロフィール

大山シュウ

Author:大山シュウ
更新記録や徒然、雑多感想などよしなに上げていきます。

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