今週のヒーロータイムA


ウルトラマンA 23話「逆転! ゾフィ只今参上」

娯楽性のあるタイトルですが、ひたすら不気味なお話です。

終末論を煽る謎の老人。消える子供たち。異次元と幻惑の跋扈。
あの妖しげな唄が、子供の当時から耳を離れません。まるで呪いのように灼き憑いている。
ヤプールの挑戦は破滅を歌い、荒廃を愛し、未来を簒奪するものです。悪魔でもそこまではやらない。
それを齎すものが悪意でも魔でもなく愚鈍だというのなら、それもまた一つのメッセージですが。

子供たちがありもしない砂浜で呪いを謳いながら消えるのを見たと訴える北斗の演技が、じつに鬼気迫ってます。
俳優さんの演技力に支えられ、この23話はA屈指の恐怖篇に仕上がったといってもいいでしょう。
まるで未来あるものすべてを疎い妬み嫉むようなヤプール。その悪辣さはウルトラ史上トップクラスです。改めて。
だからこそメビウスの時のように、現代もまた人々の心に挑戦してきたのでしょう。メビウスの名もまた因縁か。

そんなヤプール人が合体した巨大ヤプールですが、戦闘力そのものは意外とチョロい印象もあります。
序盤こそホームグラウンドである異次元を活かしてAを翻弄していましたが、そのうち動きを見切られたのか、
次第に防戦一方へと転じてゆきました。光線技も多数持ち合わせてますが、ほとんど回避か防御で凌がれています。
最終的にはメタリウム光線の直撃を食らい、思いのほかあっさりと粉砕されました。

しかし、ヤプールの真の恐ろしさは戦闘力などではありません。執念深さです。
四散した巨大ヤプールの肉体は地球へ降り注ぎ、あらたな超獣や侵略者を生み出し引き寄せる邪悪の芽となりました。
そして後年では何事もなかったかのように復活し、タロウやメビウスらへその陰湿で酷薄な牙をむけています。

光あるところに呪いあれ。
暗く澱んだ異次元で生きるヤプールの思考と言葉からは、常に人への、ウルトラマンへの呪詛が籠められているのです。
だからこそ、皆が叫ばなければならないのでしょう。諦めるな、と。
 
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大山シュウ

Author:大山シュウ
更新記録や徒然、雑多感想などよしなに上げていきます。

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