今週の円谷劇場

ウルトラセブン 37話「盗まれたウルトラ・アイ」

地球に謎の小型宇宙船が侵入します。
そこから降り立った少女を追跡したダンは宇宙船の不意打ちにあい、車ごと崖から転落。
気付いたときには、大事なウルトラアイが少女に持ち去られた後でした。

やがて、宇宙ステーションV2がマゼラン星雲へ向けた奇妙な通信電波をキャッチします。
内容は、任務完了につき迎えを請う、とのものでした。発信源は地球のK地区。
ウルトラ警備隊が通信を傍受していると、4日後ほどにふたたび通信が行われました。
「迎えはまだか、迎えはまだか」。以前より明らかに逼迫した内容です。

さっそく発信源であるスナックノアへ向かう警備隊。そこは若者が躍り狂う退廃的な場所でした。
ダンはそのに、あの少女を発見します。彼女の名はマゼラン星人マヤ。
ダンスのリズムを利用し、リズムボックスに仕込んだ通信機で本国へ連絡していたのです。

ウルトラ警備隊はこれを徴発して逆利用し、マゼラン星へ通信を試みました。
返信は無情にも「恒星間弾道弾、既に発射せり。迎えに及ぶ時間なく」という内容でした。
つまり地球は爆破するけど、迎えに行けないんでそこんとこよろしく…ってことです。
マヤはウルトラセブンの力を封じ、地球を確実に爆破するための捨て駒にされたのでした。

恒星間弾道弾が着弾するのは午前0時。果たして、実際にその威容が地球圏へ現れます。
この恒星間弾道弾、目的地到達までテコでも破壊されないためなのか異常に頑丈にできており
宇宙ステーションV2を薙ぎ倒して壊滅させ、ウルトラホーク1号2号の同時攻撃も通じません。
セブンが戦えない今、もはや地球の運命は風前の灯火でした。

ダンは迎撃任務を放り出してまでマヤを追い、スナックマヤに再びやってくるのですが、
そこにいた若者たちは全員ウルトラアイの仮装をしてました。マヤが用意したものでしょうか。
リズムボックス押収の件で目の敵にされてたのでしょうか、ダンは袋だたきにされてしまいます。

やがてマヤが現れるのですが、彼女は今もって本国を信じ切っていました。
それだけに、ダンが示した通信記録には動揺を隠せなかったようで普段の無表情が崩れてました。
共にこの星で生きればいい。ダンの説得に応え、マヤはウルトラアイを返してくれます。
すぐさまセブンが恒星間弾道弾のもとへ飛び、軌道を変えて明後日の方向へ追いやりました。
もう着弾間近だったので、あそこで破壊したら大変なことになったでしょうしね。

しかしダンが戻ってきてみるとマヤの姿はなく、そのブローチが残されているだけでした。
彼女はジュークボックスに仕掛けられた何らかの装置を使い、自殺してしまったのです。
まるで、マゼラン星本国以外では生きてゆけないと訴えるかのように。

マヤは地球のことを「狂った星」と評していました。
本国であるマゼラン星は、彼女にとって理想郷に近い場所だったのかもしれません。
しかし「侵略価値が無い」という理由だけで問答無用に地球を爆破しようとしたり、そのために
まだ若いマヤを捨て駒にしようとしたり、その無情な一面は特筆に値するものです。
欺瞞に満ちているという点においては、地球とさほど変わらないんじゃないでしょうか……

とまあ飛行機は飛ぶけど怪獣は出ないわ宇宙人も人間そっくりなマヤしか出ないわと、
低予算極まれりな一篇でした。しかし初見の際に感じた幻想的な雰囲気は今なお色褪せません。
当時の文化を思わせるレトロな遊戯施設がたっぷり出てくるのも見どころですね。

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ウルトラセブン 36話「必殺の0.1秒」

「人工太陽計画」における重要人物たちが次々に射殺されるという事件が発生します。
最高責任者であるリヒター博士来日にあたり、防衛軍は護衛として射撃に長ける隊員を召集。
ソガと共に選ばれた同期のヒロタは参謀本部付のエリートでしたが、友情で結ばれた間柄でした。

ところが任務中ソガ達護衛は巧妙な待ち伏せに遭い、博士も殺されてしまいます。
ソガは負傷しながらもなんとか襲撃者を撃退しますが、この時逃げてゆく敵の後ろ姿から
犯人の中にスパイがおり、しかもそれが友人であるはずのヒロタではと考えるようになります。
ヒロタを問いつめるソガでしたが何者かの介入で意識を失い、拉致されてしまいました。

目が覚めたとき、そこはペガ星人の円盤の中。
ペガ星人は太陽系侵略のため地球を手に入れ、前線基地にしようとしていたのです。
しかし地球の気圧には堪えられないため、人間を催眠術で操って手下にしていたのでした。
ヒロタもまた、ペガ星人の催眠術によってそのエージェントにされていたのです。

さて、最初に殺されたリヒター博士は敵の出方を探るためでしょう、替え玉でした。
後日に本物の博士を守るため、今度はウルトラ警備隊を交えた護衛団が出発します。
その中には何食わぬ顔でヒロタと、そしてソガがいました。彼も術にかかってしまったのです。
博士の車を操るヒロタは同乗のフルハシを撃って昏倒させ、さらにトンネルの隠し通路を使い
逃走をはかります。すぐ博士を殺さないのは拉致を命じられたからでしょうか?

ソガもポインターの中で暴れていましたが、揉み合いの中で気絶。
追撃のさなか、衝突のショックで覚醒したとき彼はすっかり正気に戻っていました。
どうやら、強い衝撃を受けるなどして意識が途絶えると催眠術も解けてしまうようです。
あくまでも催眠術であって、洗脳というわけではないようですね。

気絶したダンとアマギを置いて単身で追撃するソガですが、ヒロタは博士を人質に取ります。
状況打開のため、ソガはヒロタが持ちかけた勝負を受けざるを得ませんでした。
5つ数えたら同時に撃つという、西部劇を思わせる決闘です。一瞬の交錯。
勝ったのはソガでした。腕は互角でしたが、正しい心を取り戻した方に女神が微笑んだのです。
ペガ星人の宇宙船も後から駆けつけたセブンに倒され、こうして地球は救われます。

でも、ソガにとってはあまりにも苦い勝利でした。
彼はヒロタが元に戻れる可能性があると知っていながら、それでも撃つしかなかったのです。
ですが、逆の立場でもヒロタは同じことをしたかもしれません。
博士を人質としてもっと利用できたのに勝負したのは、心の奥に誇りが残っていたからでしょうか。
死んだヒロタの胸の上にそっと置かれたふたつの短銃が、両者の絆を物語っていました。

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ウルトラセブン 35話「月世界の戦慄」

ザンパ星人と月怪獣ペテロ登場。
ザンパ星人は時系列にしてシリーズ本編の三年前、大艦隊をもって地球を攻撃したものの
宇宙警備隊とハデにやり合った結果全滅させられるという、なかなか過激な過去があります。

このときの戦いで中核をなしたと思われるキリヤマ、そしてクラタへの恨みを晴らすべく、
策を弄して二人を殺害しようとしたのが本編に登場するザンパ星人です。
言わば事実上の単独犯に近く、大規模な経緯を背負う割にはかなり地味な宇宙人といえます。
身体能力的には地球人と然程違わないのかもしれません。ただし宇宙でも活動はできる模様。

さて、まずザンパ星人はクラタの部下、シラハマを殺害して成り代わります。
続いてペテロを使い、防衛軍の月基地を破壊。調査へ向かうクラタにまんまと同道します。
月への飛行中、同じく月に向かっていたホーク1号inキリヤマ&ダンの機能を狂わせて
連絡を遮断し、月へ降りたところでまずはクラタを殺そうと企てていました。

このときザンパ星人が使っていた装置はトランシーバー程度の大きさでありながら、
10万kmの距離でもそれが恐らく金属であれば遠隔操作できるという超すぐれものです。
本物のシラハマが作ったものなのか、ザンパ星人が持ち込んだものかは定かじゃありません。
もしシラハマが作ったのなら、発明品を分捕られたことになります。
いずれにせよ、宇宙ステーションV3は得難い人材を失ったことになるでしょう。

でもこの装置は当然ながら強烈な反応を出すので、やりすぎて出所がホーク1号側に露見。
クラタと合流時の状況から下手人として特定されたザンパ星人は、あっさり射殺されました。
悪辣なやり口からして、かつても一方的に攻めてきたと容易に想像できる宇宙人です。
当然の行動として防衛戦を行っただけのキリヤマとクラタを恨むのもお門違いでしょう。

ザンパ星人が死んだ直後、ペテロが一同の前にその姿を現します。
ぶよぶよした球体をいくつも重ねたような姿は、シンプルでありつつインパクト抜群。
軟体状なのは、月の重力の低さに適応した結果なのでしょうか? よくわかりませんが。

よくわからないといえば、コイツが本編だけだとザンパ星人が連れてきたのか、それとも
もともと月にいた怪獣かも全然わからなかったりします。どうとでも取れる。
本来はおとなしく、ザンパ星人によって操られているとも聞きますがどうやってかは不明。
なんだか不明点ばっかりですね。なかなかに謎の多い怪獣です。

確かなのは、ペテロが隠れた強豪であることでしょうか。セブンのパンチを受け付けません。
その柔らかい体は、重力が弱い月世界においてなら打撃をほぼ無効にできるのかも。
また動きは鈍い代わりに速射光弾や溶解液など、意外なほど多芸な面も見せつけます。
折悪しく月が夜側に突入して温度が下がったこともあり、セブンへかなりの苦戦を強いていました。

そこへ運良く隕石が落下。この熱で力を取り戻したセブンの乾坤一擲、ワイドショットにより
ついにペテロは倒されました。こうして、クラタとキリヤマも無事に帰途へつきます。
本編は、地球でダンとキリヤマの帰還を待つアンヌで幕を閉じました。
普段そんなに目立ってはいないの彼女ですが、要所要所で印象を残してゆきますね。
 

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ウルトラセブン 34話「蒸発都市」

連日連夜、インフラの開発と整備が続く大都会。
その中にまぎれていた怪しげな連中を追ったダンとソガは、遅れて来た警官の前で
跡形もなく蒸発してしまいます。続けて警官のひとりも蒸発。

さらにその上、後日には周辺ビル街が丸ごと消え去ってしまうという大事件が発生。
現場に急行したキリヤマとアマギが見たものは、奇妙な泡状の物体でした。
二人の見解通り、街をまるごと持ち去るとは恐ろしい敵です。

一方、蒸発事件関連の件でユタ花村という霊媒師が防衛軍に会見を申し込んできました。
これへ極秘裏に応えたのはタケナカ参謀。彼ほどの人物が動くとは少し意外ですね。
シャドー星人の件で、霊的方面の見解も考慮する方針に変わったのでしょうか。

ユタ花村を通して語られたのは、謎の宇宙人の要求でした。
彼らは宇宙乱流を逃れるため地球に避難し、居住区の一時的確保のため街を奪取。
さらにダンとソガを捕らえ、人質同然の状態にしているというのです。
すべてを地球人に無断でやったのは、意向を聞く余裕がなかったのだとか。

本当に一時的なことならば待つだけなのですが、あまりに一方的すぎる展開です。
とにかく蒸発都市を探そうと奔走する警備隊の前に、突如としてそれは現れました。
以前とまるで違う、だだっ広い平野のど真ん中です。
セブンの頃の宇宙時代でも結構残ってるんですね、こういった自然が。

などと言ってる場合ではありません。
件の都市に取り残された人々はすべて意識を失い、硬直した状態で放置されてます。
おまけに、宇宙人は人々の目を監視カメラ代わりに使うことができるようですね。
改造したわけではなく、媒介を通したいわゆる霊視ってヤツかもしれません。

蒸発都市へのウルトラ警備隊の闖入を裏切り行為と取った宇宙人は催眠術を使い、
ダンことウルトラセブンを操って警備隊を襲わせようとします。
セブンをも操るとは、その分野においてかなりの実力があるようですね。
ろくに交渉もせずに強行手段に出るあたり、地球を乗っ取る気まんまんです。
それだけ必死なのかもしれませんが、これでは地球側も迎え撃つしかありません。

さいわい宇宙人は単身潜入していたフルハシに撃たれ、使ってた装置も破壊されます。
おかげで然程暴れさせられることなく、セブンは正気に戻ることができました。
そこへ現れたのは、宇宙人が巨大化したと思われる発泡怪獣ダンカンです。
単独犯にも見える状況なのですけど仲間らしき者も何人かいましたし、してみると
このダンカンは宇宙人たちの集合体みたいなものなのでしょうか?

さっそくセブンとダンカンの戦いが始まりますが、ダンカンは逃げてばっかり。
やがて業を煮やしたようなエメリウム光線の一撃で、あっさり倒れてしまいました。
結局何がしたかったんだ、こいつは……

こうして事件は解決したものの、街はそのまんま。返せ! もどせ!
割とのどかに締めてましたけど、これ住民は大迷惑なんじゃないかしら……

今週の円谷劇場

ウルトラセブン 33話「侵略する死者たち」

某日某時間、とあるマイクロフィルムが極東基地に運びこまれ、厳重に保管されました。
そこに封入されているのは、地球防衛軍基地すべての所在地。
どっかの基地が移転でもして、情報の更新でも必要になったのでしょうか。
ひょっとすると、この間のプロテ星人の件を受けて念のためってヤツですかね。
極東支部はともかく、いくつか裏拠点みたいなものもあるでしょうし。

そんな極東支部の周辺で、頻々と怪事件が起こっていました。
突然ポインターの前にフラッと現れ、そのまま動かなくなる幾人もの男たち。
しかも彼らは生者ではなく、病院に教材用として確保されていた死体だったのです。

調査のため、これらの死体は監視つきで防衛軍基地に留め置かれます。
うっかり手放すよりは、手元に置いておいたほうが見張りやすいというわけですね。
ところが何と彼らから影が抜け出し、シャドウマンとなって活動を始めます。

ダンはセブンに変身しますが、迂闊にもミクロ化されてコップに閉じ込められる破目に。
そこで彼はやむを得ず騒ぎを起こし、ドサクサに紛れて脱出します。
連中に襲われた、と装って場を取り繕うあたり苦労が偲ばれますが、嘘はついてないね!

その間にマイクロフィルムがシャドウマンたちに盗み出され、電送されてしまいます。
情報はいったん地上の中継アンテナを経て、大気圏外へ送信されていました。
そこに敵がいる、と見込んだキリヤマは即座にダンへ攻撃司令を出します。

さっそくホーク2号で急行したダンですが、敵の光線によってあらぬ方向へ飛ばされます。
これも念動力ってヤツでしょうか? 爆発する2号からダンはセブンとなって脱出、
反撃しようとしますが、敵の円盤に四肢を捕まえられて逆に捕縛されてしまいました。
どうやらこの宇宙人ども、地味なわりにはなかなかの強敵みたいですね。

動けなくなったセブンを尻目に、母船からミサイルが発射されます。目標は明白。
そこへ、ホーク1号が颯爽と加勢に現れます。まずは行きがけの駄賃とミサイルを迎撃。
さらに次々と円盤を叩き落とし、セブンの捕縛を解除する大活躍を見せます。

もはやこれまでと逃げようとする敵宇宙船を、セブンは容赦なくワイドショットで撃墜。
万が一にも本国へ情報を持ち帰られたら、それこそ大変ですからね。
死者を冒涜するような輩に、決して地球を渡してはならないのです。

とまあ怪獣は出ず、メカ戦メインでセブンもイマイチ頼りないという一篇です。
しかし、影絵と専用のSEを使ったシャドウマンの演出はホラーとして印象的でした。
どことなく「怪奇大作戦」を思い出させます。
プロフィール

大山シュウ

Author:大山シュウ
更新記録や徒然、雑多感想などよしなに上げていきます。

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