今週の円谷劇場

ウルトラセブン 46話「ダン対セブンの決闘」

伊良湖岬で頻々と起こる怪現象。
防衛軍はひそかにハイドランジャーを送り込み、ウルトラ警備隊もフルハシ、アンヌ、
そしてダンを覆面調査に派遣します。アンヌの私服が一番キマってますな。

ハイドランジャーを操るのはウルトラ警備隊員ではなく、一般の防衛隊退院でした。
この機体が防衛軍の標準装備であることがよくわかる場面であると同時に、
他のウルトラシリーズではなかなか見られないシチュエーションといえます。
モブ機の例に違わず、謎の魚雷によってあえなく轟沈してしまうのですが。

さて、怪しい女を追いかけて灯台にやって来たダンは階段のところでトラップにかかり、
あっさり捕まってしまいます。全てはダンを捕まえるための罠でした。
一見まるで目的の掴めない動きをしていたせいで、まんまと引っかかった形です。
おまけに私服だったので、ウルトラアイを持ってませんでした。なんとウカツな。

一連の仕掛け人は、お揃いの青いスーツに身を固めたサロメ星人。
彼らはダンを自白装置にかけて無理やりセブンの秘密を聞き出し、そのデータを
完成目前のロボット、にせウルトラセブンに組み込んでしまいました。
その力をもってすれば、本物さえ倒せるとフラグ立て豪語されています。

能力テストを兼ねてか、海上に現れるにせウルトラセブン。
ダンはサロメ星人の海底工場に置き去られ、あわや諸共に爆破されるところでしたが
たまたま持ってたライターで拘束具を炙り、自由になった左手で拘束を外して脱出します。
私服だったことがアダにも幸いにもなったケースですね。

岸辺へ泳ぎ着いたダンは、ウルトラアイを取りに行くまでの時間稼ぎとしてアギラを召喚。
しかし、ご主人そっくりのにせウルトラセブンを前にアギラも戸惑ってしまいます。
得意の俊敏さもあまり活かせないまま、一方的にボコられて退場してしまいました。
明確にダウンした様子もカプセルに戻った様子もないので、フェードアウトの形ですね。
出れば役目は果たしているものの、結局本作では人類に認知されないままでした。

その頃すでにキリヤマたちも現地入りしてましたが、彼らの相手はサロメ星人自身。
彼らの保持する偽装クルーザーはその実空陸両用、ホーク1号とも渡り合う性能です。
そのうえ後からにせウルトラセブンが現れ、ホークは海上に叩き落とされてしまいました。
にせウルトラセブンが量産でもされた日には、地球側になすすべは無いということです。

ようやくウルトラアイを確保したダンは、これ以上好きにはさせぬとセブンに変身。
かくてウルトラセブン対ウルトラセブンという、悪夢のような戦いが展開されます。
両者の勝負は一見互角のまま海中へもつれ込み、ややあって海上に大爆発が起こりました。
と、一体だけが海上に現れます。ここで上手いのは、全身を水上へ出してないところ。
このため、どっちが勝ったのか画面だけでは本当にわかりづらくなってます。

もちろん、勝ったのは我らがウルトラセブンの方。
油断したサロメ星人はセブンにとっ捕まり、あっけなく撃滅されてしまいました。
どのような決まり手を迎えたかは不明ですが、所詮ニセモノは本物に勝てないってことですね。

サロメ星人は後に「ウルトラマンゼロvsダークロプスゼロ」でまさかの再登場を実現。
セブンの方でひときわ目立ってた女性副官をモデルとしてか、今度は女性がボスでした。
セブン以外のにせロボットを大量生産してましたが、ダークロプスゼロの反逆に遭うなど
前半は調子いいけど後半はてんでダメという典型を踏んでいました。
本人たちは人間とほぼ変わらない力しかないので、不測の事態にはどうしても弱いんでしょう。

まあもっとも、ダークロプスゼロに関しては相手が悪かったと言うしかありますまい。
おそらくはベリアル本人でさえ手を焼いてほっぽり出していた、曰く付きの存在です。
マイルドに調整された量産型は、その分すっかり弱体化しちゃいましたけどね。

今週の円谷劇場

ウルトラセブン 45話「円盤が来た」

旋盤工場で働くアマチュア天文家、福新(フクシン)三郎。
星を眺めるのが大好きな彼は、仕事に支障が出ても懲りずに毎晩望遠鏡を覗く日々。
そんなある日、彼は星空に大量の円盤を見つけます。
慌ててウルトラ警備隊に通報するのですが、隊の調査では特に異常が見当たりません。
ただ、いつもより星が多く見えるだけの夜でした。

あれは見間違いだったのだろうか。
きっとそうだと自分に言い聞かせながら、その日も望遠鏡を覗く三郎。
すると、そこには昨日よりもさらに大量の円盤群が写っているではないですか。
今度はフィルム付きで通報した三郎でしたが、やはり何の異常も無いと言うのです。
これ、動画で撮ったら信じてもらえたかもなぁ。この頃じゃ無理だけど。

この頃、三郎の周辺にはどこか奇妙な少年が出没していました。
なぜか三郎の行き先々に現れる少年は、落ち込んだ彼を自宅に連れてゆきます。
そこは何と、ペロリンガ星人の隠れ家。少年は宇宙人だったのです。
三郎が見たものは見間違いでも何でもなく、星に偽装した大円盤群なのでした。

大胆にも、ペロリンガ星人はウルトラ警備隊に通報するよう自分から言いだします。
言う通りにする三郎でしたが、もはや取り次いでももらえませんでした。
星人は三郎ら優れた観察眼を持つアマチュアを逆に利用し、一層身を隠したのです。

基本的に人嫌いで、失敗ばかりの生活にうんざりしていた三郎。
ペロリンガ星人はそんな彼に目を付け、「星の世界」へ連れてゆこうと持ちかけています。
なんでも、すでに何人もの地球人を連れて行っているのだとか。
…これ、言葉は優しいですけど要するに拉致ですよね……
楽園だと思って連れてってもらったら現実は奴隷生活、なんてことになりそう。

しかしウルトラ警備隊も、この事態を放置していたわけではありません。
アンヌが円盤のトリックを見抜き、また三郎の通信にこれを裏付ける内容があったとわかり
すぐさま迎撃活動が開始されます。光が交錯する幻想的映像の中、戦いが始まりました。
結果はウルトラ警備隊の勝利に終わり、ペロリンガ星人もまたセブンに倒されています。

ペロリンガ星円盤群撃退のキッカケを作ったということで、皆から賞賛される三郎。
しかし、彼は周囲の声を振り切るようにして再び星の世界へ没頭してゆきました。
どんな事態が待っていようとも、一度でいいから星の世界へ行きたかったのかもしれません。

セブン最後の実相寺監督作品です。
「第四惑星の悪夢」よりもさらにセブンの出番が少ない超低予算回ですが、映像は見事。
とりわけ、夜空に揺れるペロリンガ円盤群の美しさは特筆に値するものがあります。
上記の通り、バトルも短いながらインパクトのある演出でカバーしていました。
いつの間にかセブンが出てきてるのはご愛嬌。

ペロリンガ星人が化けてた少年の役は、後にバロム1の白鳥健太郎を演じる高野浩幸さん。
現在は御歳56歳で、役者としてもまだまだ現役だそうです。

今週の円谷劇場

ウルトラセブン 44話「恐怖の超猿人」

宇宙猿人ゴーロン星人登場。サイヤ人じゃないよ。
猿がそのまんま人間の身体バランスを取ったような姿ですが、例によって巨大化もできます。
また普通のサルに化けることができるなど、なかなか芸達者なヤツです。
ちなみに、変身した姿はゴールデンライオンタマリンそっくり。

このゴーロン星人がいかにして地球に潜り込んだかは定かではありませんが、無害なサルを装えば
潜入以後はさほど苦労しなかったことでしょう。なんせ地球人が進んで保護してくれますから。
しかも他者の脳波を自在に操って、自分の忠実な手下とすることができるときています。

この能力を使い、モンキーランドで働く真山博士と助手の民子を部下に仕立て上げた星人は
二人を使い、人間とサルの脳波を入れ替えるという恐ろしい実験を始めます。
ゆくゆくは人類すべての脳波をサルのものに変えてしまうつもりだったそうなのですが……
地球人類サル化計画とでも言うのでしょうか? 遠大すぎるうえにメリットがわかりません。
いずれにしても、人類にとってみればたまったもんじゃないことだけは確実ですが。

しかしこの計画も、軌道に乗る前に躓きを迎えます。
実験体であるゴリーが勝手に行動して警官をふたり殺し、その上現場に血痕を残したのです。
ゴリーは実験の結果、原理は不明ですが全身毛むくじゃらの猿人となることができる存在。
そのパワーは常人を遥かにしのぎ、怒りだすと手がつけられません。

それでいて、ゴリーの血液は人間のものと変わらないのです。
不審に思った警察がウルトラ警備隊に調査を依頼し、ダンとアンヌがモンキーランドを来訪。
殺害現場の近辺であるここから、例えばゴリラが逃げ出していないかの確認というわけです。

ゴリーは普段サルの世話をやらされていたのですが、その際のケガをアンヌに手当てされたことで
どうやらすっかり彼女に惚れたらしく、ポインターの配線を切ってダン共々帰れなくしたり
ダンを襲って昏倒させたり、短絡的な行動ばかり取ります。命令された様子はありません。
仮にポインターの件が命令されてやったことだとしても、ダンを襲ったのはアウトでした。
真山と民子は2人を次の実験体にするつもりだったのですから。

やがてアンヌが実験体とされかけるに至り、ゴリーはついに反逆。
真山と民子を殴り倒してアンヌを攫いましたが、これについては目覚めたダンに阻止されました。
アンヌが脱出する間、ダンはモンキーランドのゴールデンライオンタマリンが星人だと看破。
正体を現したゴーロン星人はセブンをも手こずらせる怪力と、目からの催眠光波が得意技。
セブンも一時はダウンを取られますが、手裏剣光線の連発とエメリウム光線で撃破しています。

一方、執拗にアンヌを追うゴリーは船頭に化けて川辺で彼女を襲おうとします。
そこへ合流してきたキリヤマたちをも猿人化して襲おうとしますが、ウルトラガンには敵わず
怪物としてその命を終えています。元がいったい誰だったのか、語られることがないまま。

こうして事件は解決したのですが、しかし油断してはいけない。
人間そのものに見えて中身はサルというとんでもない生き物が、まだ身近にいるかもしれない。
そんな皮肉の利いたナレーションで、物語は幕を下ろしています。
なんだか「狙われない街」を思い出しました。

今週の円谷劇場

ウルトラセブン 43話「第四惑星の悪夢」

自動操縦による長距離宇宙航行を目的とした「スコーピオン号」が完成。
テストパイロットのダンとソガは一定の操作を終えた後、20日間の眠りにつきます。
その間、船がコースを外れていっているとも知らずに……

二人が気がついたとき、そこは地球そっくりの星でした。
戸惑いながら彷徨う二人は、いきなり連行される憂き目に逢ってしまいます。
そこで待っていたのは、この星を「第四惑星」と呼ぶロボットの長官でした。

はるか昔、ロボットを開発したこの星の人間はやる事がなくなってすっかり堕落し、
ついにはロボットに支配者の座を明け渡してしまったというのです。
ロボットにとっても人間は必要であり、そのために地球植民地計画が進められていました。

人間であるロボット長官秘書の手引きで脱出するダンたちですが、その代わりに
秘書とこれを庇った男性が捕らえられ、あわや処刑されかける破目に。
勇敢にも二人を助けに奔走するダンとソガ。乱戦の中で登場するウルトラセブン。
セブンはロボットたちのセンターを破壊し、侵略部隊を一掃。
第四惑星がその後どうなったのかわからないまま、地球への脱出に場面が移ります。

スコーピオン号の成功を受け、防衛軍のシステムはより一層自動化が進むようになります。
それはすなわち、あの第四惑星の実態へ近づいてゆくことを意味します。
明日の天気は晴れか、雨か。未来を占うダンとソガの姿で、それでも爽やかに幕が下りました。
あの惑星での出来事は夢か、それとも現実で未来の暗示なのか。それは二人にもわかりません。

8話以来となる、実相寺昭雄監督の演出回にしてセブン最大の異色作とも言われる一篇。
最後にセブンがちょっと暴れるだけで怪獣も全く出ない低予算回なのですが、監督一流の
キレッキレな画で終始押し切る内容でした。今見ても唸らされるカットが多数あります。
ロボット長官と会見するときの、錯覚を用いた無駄に長い廊下?のカットが印象的。

上ではああ書きましたが、セブンの出番も短いながら凝ったカットが多いです。
と同時に、街を破壊するセブンというある意味悪夢みたいな光景も見られるのですが。
人類が堕落して他の星を攻撃するようになったら、この絵が現実になってしまいかねません。
お人好しにおいても超人級な彼らに見限られたら、それこそ破滅ですね。

今でこそ持て囃されている実相寺演出ですが、当時の話を紐解くとちゃぶ台出したことで
海外展開の際の邪魔になると怒られたり、低予算で作れる人だからと呼び戻されたり
当時はだいぶ事情が違ったようです。この回も、本放送時の評判はあまり良くなかったとか。
これはアレですね。時代が監督に対して周回遅れだった、ってことなんですかね。

それにしても、ロボット長官は人間のことをエネルギー源とか資源と呼んでましたね。
生きている時は労働力に、死んだら燃料にでもするのでしょうか。
死体を運ぶトラックに紛れ込むダンとソガの場面は、典型的なディストピアを見るようでした。

今週の円谷劇場

ウルトラセブン 42話「ノンマルトの使者」

地球原人ノンマルトと蛸怪獣ガイロス登場。
海底に暮らす彼らは地球人の海底開発を疎い、開発船シーホース号を破壊。
さらに蛸怪獣ガイロスを操って船舶を襲わせたり、奪ったイギリスの原潜グローリア号で
沿岸を攻撃したりなど、数々の攻撃行動を開始します。

一連の影には、常に真市という少年の存在がありました。
彼はノンマルトが行動を起こす直前ダンとアンヌに海底開発をやめるよう忠告をしたり、
防衛軍基地へノンマルトの怒りを伝えたりしていたのです。

真市によれば、ノンマルトとは地球の先住民なのだそうです。
かつて地上で暮らしていたノンマルトを、現在の地球人が海へ追いやったというのです。
つまり、人類は侵略者だというわけですね。

しかしながら、攻撃されれば防衛するしかありません。
ハイドランジャーがグローリア号を撃沈し、ガイロスはセブンが撃滅。
グローリア号の爆発の向こうに広がっていたのは、ノンマルトの海底都市でした。
その海底都市もキリヤマの命で破壊され、事件は一応の解決をみています。

ネタにされがちなキリヤマ隊長の命令とノンマルトの海底都市破壊ですが、
少なくとも本作劇中にノンマルトが先住民であるという証拠は何もありません。
光の国では地球人をノンマルトと呼ぶこともあるそうですが、それすら定かではない。
侵略基地かもしれないとなれば、やはり放置はできなかったものと思われます。

大体からして、ノンマルトのやり方は対話を求めているものに見えないのです。
真市の行動を警告のつもりにしているのなら、見る限りほとんど意味がありません。
彼が何かを伝えに来るのは、たいていコトが起こる直前だからです。
むしろ、宣戦布告に近いニュアンスになってしまってる気さえしますね。

その真市は本来なら2年前、海で死んでいるはずの少年でした。
ナレーションでは彼の魂がノンマルトの使者となったのではないか、と語られてます。
真市が死者だと知って衝撃を受けるダンとアンヌの演出がインパクト大。

しかしこれがまた、不明瞭だらけなんですよね。
語られた通りなのか、それとも本当は生きていてノンマルトの元に身を寄せているのか、
ノンマルトが真市の姿を取っているだけなのか、何もかもがあやふや。
母親は何も知らないっぽいし、そもそも墓だけで写真が出てきていいません。
真市が本当にこの母親の子供と同一人物であったのかさえ定かではないのです。

ただ真市がノンマルトでなく地球人の霊であるのなら、彼は両者の間に立ち
ノンマルトを怒らせた地球人に開発をやめるよう、自分の意思で知らせに行ったのかも。
その割にノンマルト寄りの発言なのは、ノンマルトが今までずっと我慢してきており
勝てないのを承知で戦いを挑もうとしているのを止めたかったから……などなど、
とにかく想像が膨らむ回でした。何もわからないから描き得るものがあるのかもしれません。

余談ですが、GBAのゲーム「ウルトラ警備隊」にもこのエピソードは採用されてます。
こちらのノンマルトはタッコング数体にシーゴラス・シーモンス、果ては恐竜戦車を操ります。
真市曰く「ノンマルトは弱い」そうですが、「嘘つけ!」と言いたくなること請け合い。
プロフィール

大山シュウ

Author:大山シュウ
更新記録や徒然、雑多感想などよしなに上げていきます。

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